更新日 2024年01月04日
いじめ被害が子どもの将来に与える影響
「いじめはいつの時代にもある」「いじめを乗り越えることも試練だ」「大げさに考えすぎ」と思う方もいるかもしれません。
しかし、インターネットなど以前とは異なる社会状況のなかで、いじめは犯罪や取り返しのつかない、深刻な事態を招くおそれがあります。そうした事態を回避できても、ずっと先の子どもの将来にまで影響するおそれがあります。
子どもが受けた「いじめられ体験」の影響は、30歳くらいになっても、さらには、大人になり親になるまで続くことも少なくありません。
また、いじめを受けた人は、大人になっても、心身の不調が続き、人付き合いなどの社会生活に難しさを感じる場合もあることなどが報告されています。
自分づくりの最中にある子ども時代に、自尊心を傷つけられたり、自信を失ったりすることは、大人が想像するよりも長く子どもに影響を与えます。
いじめ加害も子どもの心を傷つけます
人を傷つけた体験は、いじめをしてしまった側の子どもにも心の傷となる場合があります。
また、地域の目に守られていた時代と違い、インターネットなどが発展した現代の社会では、子どもが小さなことと思ってしたことが、犯罪などに結びつくこともあります。周囲の大人のちょっとした声かけや、早期の気づきが、大きな過失を防ぎ、子どもたちが適切に関わり合えるきっかけになります。そうした大人の温かい支援が、子どもの将来の幸せにつながります。
周知のように、いじめについては、「いじめ防止対策推進法」もできましたが、ひと昔前とは、捉え方や問題の性質が異なってきています。地域のみなさんの理解と協力をお願いします。
どんなことがいじめになるのか
「いじめ防止対策推進法」では、いじめを次のように定義しています。
「児童等に対して、当該児童等が在籍する 学校に在籍している等当該児童等と一 定の人的関係にある他の児童等が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む。) であって、当該行為の対象と なった児童等が心身の苦痛を感じているものをいう。」
この定義の特徴は、いじめを受けた側の心身の痛みを重視している点です。
何か行為があった時に、それを受けた側が、苦痛を感じるものであれば、それはいじめとして、周囲も対応を講じることが必要とされています。
具体的には、例えば、次のようなこともいじめになります。
- 冷やかしやからかい、悪口や脅し文句、嫌なことを言われる。
- 仲間はずれ、集団による無視をされる。
- 嫌なあだ名で呼ばれる。
- 軽くぶつけられたり、遊ぶふりをして叩かれたり、けられたりする。
- ひどくぶたれたり、叩かれたり、蹴られたりする。
- 金品をたかられる。
- 金品を隠されたり、盗まれたり、壊されたり、捨てられたりする。
- 嫌なことや恥ずかしいこと、危険なことをされたり、させられたりする。
- パソコンや携帯電話等で、ひぼう・中傷や嫌なことをされる。
参考資料:文部科学省「いじめの現状について~いじめの態様別状況」
「いじめ」は、執拗な嫌がらせや暴力だけではありません。加害者である子どもに悪気はなく、軽い気持ちでの「いじり」や「ちょっかい」、「冗談」と思っていた行為であったとしても、被害者である受けた子どもは苦痛を感じていることが多くみられます。加害者である子どもが気にしていなくても、被害者である子どもがいやな思いをしていれば、それは「いじめ」です。
また、いじめは子どもの問題と思われるかもしれませんが、いじめをする子は、いじめという行動を通して、SOSを出している場合もあります。
いじめの被害者である子も加害者である子も、支援が必要な場合がほとんどです。
学校は集団生活の場であるため、年齢が上がれば、子ども同士の間にも、複雑な人間関係が生じてきます。その中で適切な他者との協力や思いやりを学ぶことがとても重要です。しかし、何等かの理由で、人との関わりが適切に行えず、お互いを傷つけてしまう場合があります。いじめもその一つであり、どの子どももいじめの被害者にも加害者にもなってしまうことが可能性としてあります。大人の直接・間接の見守りや支援で、子どもたちがより良い関わりを学んでいく必要があります。
周囲の大人が、冷静に、お互いに協力して、いじめの解決をサポートすることは、子どもたちを支え、よい見本となります。いじめの解決には、学校・家庭・地域の協力が欠かせません。
保護者だけでなく、子どもたちの周囲の大人が、次世代を担う子どもたちを見守り、安心して健やかに成長できる地域環境・学校環境を築いていくことが子どもにとっても、大人にとっても大切です。
「いじめ」を深刻なものにさせないためには、早期に周囲の大人たちが協力することが大事です。
学校との連携・教育委員会、品川区の相談機関について
いじめらしい光景や気になる場面を見かけた、子どもから相談を受けた、などのときは、次に紹介する窓口にご相談ください。
学校
学校は、その学校に在籍する児童生徒の保護者、地域住民、児童相談所その他の関係者との連携を図りつつ、学校全体でいじめの防止及び早期発見に取り組むとともに、その学校に在籍する児童等がいじめを受けていると思われるときは、適切かつ迅速にこれに対処することになっています。
教育委員会の相談窓口
電話で相談する
いじめについての相談電話を受けつけています。
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学校支援チーム〔HEARTS(ハーツ)〕の電話相談
電話番号:03-5740-8225
受付時間:月~金曜日の9:00~17:00(祝日・年末年始をのぞく)
品川区総務課(教育委員会以外の組織)の相談窓口
品川区総務課では、いじめの相談をしやすいように多様な相談窓口(ポータルサイト、フリーコール(無料電話)、いじめ相談通報はがき、LINE(来庁または学校での相談予約ができます)、メール)を設置しています。教育委員会とは独立した第三者的立場で、弁護士による法的見地も取り入れた対応をしていきます。 もし、学校に相談しにくい、学校に知られたくないなども含め、いじめに関する相談があれば、ぜひ品川区総務課にご連絡ください。
電話で相談する
いじめについての相談電話を受けつけています。
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品川区総務課の電話相談
電話番号:0120-503-466
受付時間:月~金曜日の9:00~17:00(祝日・年末年始をのぞく)
メールで相談する
次のアドレスに名前・学校・クラス・連絡先・相談内容を書いてお送りください。
ijime-0@city.shinagawa.tokyo.jp
学校または区役所で相談する
LINE区公式アカウントから相談予約ができます。
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手紙でいじめについて伝える
品川区総務課では、いじめの相談を郵送でも受け付けています。下記のリーフレットをダウンロードして、手紙部分を切り取ってご利用ください。
あなたの声を聞かせてください いじめ相談窓口周知リーフレット[PDF:2.08MB]
ポータルサイトで情報提供をする
「品川区いじめ対策ポータル ~きづき~」ではいじめに関する情報提供を受けつけています。
いじめかも?と思ったら、そのいじめについて知っていることを教えてください。
いじめに関する情報提供フォームはこちらからアクセスできます。