更新日 2024年07月22日
対応チームが動く
- 校内のいじめ対策の組織が、当該事案について組織的に対応することを、組織内で共有し確認します。担任や学年主任、養護教諭、管理職、部活顧問、スクールカウンセラーなどで対応する担当者など、所定の教職員がメンバーとなり、保護者にも、校内のいじめ対策の組織で対応することを伝えます。
情報収集
- 「被害者」「加害者」それぞれから個別に情報収集します。周囲への影響や、本人の気持ちに配慮して、目立たない形で行うなど、信頼関係を築きながら丁寧に話を聴きます。
- それぞれが、どのように感じているのか。「被害者」が、どのような解決を望み、どのようなことを懸念しているのか。「加害者」が、どのように問題を捉えて、謝罪などをどうすべきだと認識しているのか。単なる事実関係の確認ではなく、児童・生徒が成長できるように、それぞれの心の状態に寄り添う支援が必要です。また、各家庭にも協力と理解を得る必要があります。
- どのような順に、どのようなタイミングで、安全に、必要な指導支援を行うかを考える必要があり、その意味では、情報収集の段階は、すでに支援の段階でもあります。
- 教員だけでなく、スクールカウンセラーなどの心理の専門家をはじめ、必要な専門知識を得ながら、情報収集の計画や、聴き取りをしていくことが重要です。
- 当該の児童・生徒や学級等について、休み時間などの観察や、教職員間の情報交換からも、情報を把握し、整理します。
プランニングと対応
- 大まかな対応とそのスケジュールを決めます。どのような目標をいつ頃までに達成できるようにするのか、指導の方向性を関連の教職員で共有します。
- 当事者への対応と同時に、直接・間接に、学級や学年、部活など、関係する子どもたちにも必要な対応をします。
- プランニングと対応には、当事者の気持ちと状況を踏まえた丁寧な検討が必要です。またプランを双方の保護者にも伝えて、理解と協力を得ることが大切です。
- 情報収集と同様に、必要な専門家の意見を得て、周到に適切なプランを考え実施することは教師の高い専門性といえます。専門家の意見を聴くことは、専門家に従うことではなく、教職の専門的知識と他の知識を合わせることで、教師がより良い対応を計画実践することを意味します。そうした他職種の専門知識や技能を合わせて、指導を行う力量が、学校と教師に期待されています。
保護者との情報交換
- 対応について、被害者・加害者の保護者とも話し合い、対応のねらいや、保護者に協力してほしい点を確認します。
- 家庭での対応や様子を聞きながら、学校の対応も伝え、家庭と学校の子どもへの指導が矛盾せず、相補的に効果をあげられるよう連携を続けます。
- 保護者によっては、立場上、学校に防衛的になったり、拒否的になる場合もあるかもしれません。スクールカウンセラーも含めて、そうした保護者の不安や疑念も受け止め、一緒に考えていくことが必要です。
- 教職員同士、また、保護者と、安全に計画を進めるためにも、きちんと記録をとることも大事です。記録によって、お互いに計画を確認しながら進めることができます。
チームワークを大切に。また記録をしっかりととっておくことは、先生、学校にとっても、子どもや保護者にとっても大切です。